速く走るためにできること


プレッシャーに強くなる

頭の中を「良い考え」で洗脳する
 「レース前に落ち着かなくなる」その原因は何なのか?原因の多くは、自分自身が作り出した「思い」です。そ
れは、「こうなったらどうしよう(こうならなかったらどうしよう)」と思う「取り越し苦労」と呼ばれるものです。
 そこで、「取り越し苦労はしても無駄」というふうに考えれば問題は解決しますが、「取り越し苦労はしても無
駄だ」と、いくら自分に言い聞かせても、余計に「こうなったらどうしよう(こうならなかったらどうしよう)」というこ
とを意識してしまいます。何故なら、脳は努力逆転の原理を働かせてしまうのです。
 では、どうするのか?そこで、自分自身の目的を明確にすることが必要になります。それは「こうならないた
めに自分は何をしたのか(こうなったときのために自分は何をしてきたのか)」を問う。
 つまり、「今何をすればいいのか」を意識することです。そして、一番大切なことは、「自分の役目と目的は、
今全力で走ることだ」ということに全身で集中するという事です。
 頭の中の考えを「今何をすればいいのか」「目的はこれだ」ということだけにしてしまうことです。

試合前の栄養補給

試合前の食事でパフォーマンス向上
  試合の3時間前まで
 試合が始まる3時間前が、食事をとるぎりぎりの時間です。この時の食事は、脂肪を控えた糖質を中心としたものにしましょう。
 また、3時間前までに食事がとれなかった場合は、2時間前までなら、おにぎり、パンなどの軽食はOKです。
  試合の30分前
 バナナ、ゼリー飲料など消化吸収が早く、素早くエネルギーになるものを少量とるのがおすすめです。
  試合5分前
 試合開始直前や、長時間にわたる試合の途中では、スポーツドリンク、アメなど消化吸収が早いエネルギー源が有効です。
  試合後
 試合後は速やかに糖質を補給することは、疲労回復及び筋肉の成長に効果的です。オレンジジュース、バナナなどがおすすめです。


睡眠と子供の成長

「寝る子は育つ」はホントの話
 睡眠の最も基本的な役割は、休息です。身体の疲れは、眠らなくても横になっているだけで、ある程度回復
できますが、大脳は起きている限り休息はできません。
 そして子供にとって十分な睡眠が必要なのは、ぐっすりと深く眠っているノンレム睡眠時に成長ホルモンがた
くさん分泌され、筋肉や骨格の成長を促したり、皮膚の新陳代謝を高めるからです。
 したがって、睡眠不足だと、生活リズムが乱れて、ホルモンの分泌や神経の働きまで狂うことになりますの
で、子供にとって重大な問題といえます。
睡眠と免疫力
 寝不足が続くと免疫力(病気に対する抵抗力)が低下し、病気につながっていきます。睡眠には、浅い眠り
のレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があります(約90分間隔で交互に繰り返す)が、免疫力が高まるのは、
ノンレム睡眠のときです。
 自律神経は、交感神経(緊張の神経)と副交感神経(リラックスの神経)から成り立っていますが、ノンレム睡
眠時は、交感神経の緊張がとれ、副交感神経が働きリラックスできます。そうすると、免疫細胞の働きが活発
になり、免疫力が高まるのです。
 睡眠により免疫力を高めるには、深い眠りにつくことが必要です。いい眠りとは、長く眠ればいいというもの
ではなく、朝、目覚めたときにぐっすり眠れたという充足感があるかどうかです。

レース前のリラックス方法

深呼吸の効果
 プレッシャーを感じると腕や肩、脚など局部的に力が入り硬直するため、体がスムーズに動きません。また、
動作が不正確でスピードを欠き、疲労も早くなります。
 そこで、スタート前にリラックスする方法として、効果的で一番簡単な方法が、深呼吸です。鼻から大きく息を
吸って、口からゆっくり吐きます。また、吸って、止めて、吐くとかなどの方法もあります。
 このように深呼吸をすると、普通の呼吸の7倍近い酸素が一度に供給されます。それによって、血液の循環
がよくなり、細部の細胞まで新鮮な状態に変えることができます。また、脳にも影響し、リラックスしている状態
の時に出る脳波のアルファ波が増大します。
 しかし、何より大事なことは、レース前になったら自分の力を信じて望むことです。そうすれば、必ずいい
結果がでるでしょう。

股関節の強化

股関節は体を動かす重要なカギを握っている
 股関節を上手に使えるようになると、上半身と下半身の連携がスムーズになり、体全体の動きがよくなりま
す。股関節のまわりには、おしりを形づくる大殿筋や太ももの表側を走る大腿直筋など、大きな筋肉が集中し
ています。また、腸腰筋も、股関節周辺の筋肉です。
 股関節の強化とは、これらの筋肉に刺激を与えて働きを活性化させることです。股関節の動きが悪いのは
股関節を取り巻く筋肉がこわばって縮むのが原因なのです。
股関節エクササイズ
 横綱・朝青龍のお尻は、ほかの力士とは違い、盛り上がり、張り、歩いたときの躍動感など、力強いものが
あります。その強さの秘密は鍛えられた股関節にあるのです。それは、腰割りにより股関節を鍛えた結果、とく
におしりの筋肉(大殿筋)が強化され、大きくなったものです。
 大リーグ・マリナーズのイチロー選手も、打席に入る前に必ず腰割りをします。まさしく、力士が行っている腰
割りに近いものです。この腰割りの効用は、前述のほか筋肉をリラックスさせることにあります。
 筋肉の緊張というのは頭で考えても簡単に取れるものではありません。意識すればするほど、逆に緊張が
強くなってしまうことさえあります。そこで、最もよい方法は、筋肉に強い力を与えることです。筋肉は一度力を
加えてからふっと力を抜くと、リラックスできるという特性を持っています。
 腰割り
  1. つま先を逆ハの字型に開き、足を左右に肩幅以上に開いて立つ。
両ひざ頭がつま先と同じ方向を向くように開きながら、背筋を地面に対して垂直のまま、腰をひざの高さ
まで落とし ていく。これを繰り返す。1日10回が目安。

肥満を防ぐ

食べる量が同じでも、早食いが肥満を招く
 人間の脳の視床下部というところには、食欲をコントロールする中枢神経があり、その中には満腹中枢と摂
食中枢があります。食事をして、血液中の血糖値が上昇してくると、満腹中枢が刺激されお腹がいっぱいとい
う指令を出します。ただ、この満腹中枢が刺激されて指令を出すまでには30分くらい時間がかかります。した
がって、早食いの人は指令が出る前に食べ終わってしまうので、食べ過ぎてしまい、太りやすくなるといえま
す。
 早食いのくせは若いうちに身につけています。よくかんでゆっくり食べる習慣を、子どものころから身につけ
ましょう。

水分補給 その3

スポーツ中の上手な水分補給
 スポーツにより大量の汗をかいた時は、それだけの水分を補給しなければならないのは当然です。どの位
の汗をかいたかを知るにはスポーツ前後の体重を測定すればおよその目安がつきます。いい汗のかき方は、
体重のせいぜい2%、30kgの人なら600ml減少程度までにすべきです。3%(900ml)の水分が失われると明
らかに運動能力が低下し、5%(1500ml)も減るような汗をかけば生命の危険となる事態も起こり得ま
す。

 大量に汗をかくことによって水分や塩分が不足し、色々な不調を起こします。これを熱中症といいます。これ
は大きく(1)熱疲労、(2)熱けいれん、(3)熱射病に分けます。
 (1) 熱疲労
 脱水によって血液の量が減って全身の循環が悪くなるので血圧が下がり、ふらつき、めまい、倦怠感、頭
痛、吐き気を起こします。
 (2) 熱けいれん
 水分の補給だけを行なっていると塩分の不足が起こります。塩分は筋肉の収縮に必要なものですから、筋
肉のけいれん、こむらがえりなどを起こします。
 (3) 熱射病
 汗によって体温を下げる機構が破綻して、体温が下がらなくなり意識障害から死に至ることもある大変重篤
な事態です。

以上のことからスポーツ中の水分補給の原則は次のとおりです。
  1. 運動前の体重の1%以上減らないように気をつける。

スポーツ中にのどが渇いたと感ずる時には既に脱水が始まっています。スポーツの種類や程度にもより
ますが、15分位毎に100ml程度の水分を取るのがコツです。30分毎の200mlでもいいと思います。

軽く汗をかく程度であれば最初は水分だけでもいいのですが、多く汗をかき出したら塩分の入った飲料
を飲んでください。

冷たい飲み物は気持ちがいいのですが、冷たすぎると吸収が悪いので、5〜15℃がいいといわれていま
す。

4×100mRのオーダー

リレーの技術的な要素は
走者一人ひとりの能力、バトンパスの技術のほか、走者の順(オーダー)があります。
第一走者
最もスタートダッシュが得意で、フライングをしない冷静な選手
第二走者
スピードがあって直線をぐんぐん加速できる選手
第三走者
カーブを走る技術に優れていて、バトンパスを二度受け渡すためバトンパスが上手な選手
アンカー
最もスピードがあって競り合いに強く、後半に強い選手


ウォーミングアップの目的

レース前に行うウォーミングアップの目的は
筋温を上昇させる(ジョグ)
 筋温が上がっていない状態で走ると、肉離れなどを起こすリスクが高くなります。筋温を上げることにより、
関節 の動きを滑らかにする滑液の分泌が活性化され、可動性が高まりスムーズな動きができます。さらに、
筋温は38度で 最も筋肉の機能が発揮され、特に筋肉の酸素取り込み能力が高まり、エネルギー供給がス
ムーズとなります。
関節可動域を広げる(ストレッチ)
 関節可動域が小さいとスポーツ障害の原因になるので、ストレッチで広げる。
神経活動を活性化させ、心拍数を上昇させる(流し)
 筋肉を刺激して神経活動を活性化させ、筋出力を高める。また、スタート直後に急激に心拍数が上昇すると
心臓へ の負担が大きいので、十分に上げておき心臓負担を軽くする。心拍数が上がれば、血液の循環もよ
くなり、酸素やエ ネルギー源が筋肉に供給されやすくなります。

ウォーミングアップの具体例
 10〜15分程度のジョグで筋温を上げ、ストレッチで関節の可動域を広げ、最後に流しなどで心拍数を上げ、
筋肉に刺激を与えておくといった流れが理想です。ジョグなのにペースが速すぎたり、流しなのに全力走をし
たりといったようなやりすぎや、だらだらと長いウォーミングアップは、ただ体力を消耗するだけです。

水分補給 その2

 コーラは水分補給になるか?
  350mlのコーラには34gの砂糖が入っており、角砂糖にすると11コ分です。これだけの砂糖を一度に食べるとなると、見ただけで食べる気がしなくなりますが、コーラに入っていると簡単にとれてしまいます。コーラ以外でも市販されている清涼飲料水にはたくさんの砂糖が含まれています。
 したがって、これらの飲料は水分補給には適していません。練習や試合のときは、ミネラルウォーターとスポーツドリンクを臨機応変に使い分けて飲むとよいでしょう。また、清涼飲料水の原材料表示には、「果糖ブドウ糖液糖」と書かれているものがありますが、これは砂糖と同じ糖分ですので、表示に惑わされないようにしましょう。

子供の栄養補給

 ハンバーガーとフライドポテトの組み合わせはOK?
  ハンバーガーショップの定番である「ハンバーガー+フライドポテト+炭酸飲料」というセットには、エネルギーや脂質がたくさん含まれていますが、ビタミンやミネラルなどの栄養素がほとんど含まれていません。ポテトを注文するときには小さいサイズにする、飲み物は野菜ジュースにするなど、心がけてください。
 ファーストフードを利用した日には、他の食事で野菜、海藻などを摂って、不足がちなビタミンやミネラルを十分に補いましょう。
トレーニング後の栄養補給は
 練習終了後の栄養(糖質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなど)補給は、できるだけ速やかに(30分程度)摂ることが大切です。間隔が長くなればなるほど、栄養効果が小さくなります。なお、あくまで栄養摂取は3度の食事が基本となりますので、間食の摂りすぎに注意してください。

低血糖の危険性


 空腹時の運動はどうしていけない?
  空腹の状態で激しい練習を行うと、血液中のブドウ糖(血糖)が下がりすぎて「低血糖」を招きます。普段の血糖値は80〜100mg/dlですが、空腹の状態で運動を続けると血糖値が徐々に低下して、60〜50 mg/dlで動悸、手足の震え、冷や汗などの症状がみられます。さらに低下して50 mg/dl以下になると、動作が鈍くなる、けいれん、昏睡などの重篤な状態に陥る危険性があります。

低血糖症状が起きたときは
  体を安静にし、血糖値を上昇させるために、消化・吸収の速い糖分を摂取します。缶ジュース(ブドウ糖、果糖を多く含むもの)200mlぐらいがいいでしょう。

低血糖を起こさないようにするには
  お腹が空いたときには、間食をうまく摂りましょう。しかし、カップ麺やスナック菓子などは、エネルギーは高くてもミネラル、ビタミン類などの栄養素はほとんど含まれていないので、糖質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどを総合的に補える食品を選びましょう。おにぎり、パン、カステラなどに100%果汁ジュースなどの組み合わせが最適ですが、あまり時間がないときは、消化吸収がいいバナナ1本でも構いませんし、カロリーメイトを代用するのもいいでしょう。

ハードル種目

ハードル競走の種類
距離(m) ハードルの高さ(cm) スタート線から第一ハードルまでの距離(m) ハードル間の距離(m) 最後のハードルからゴール線までの距離(m) ハードルの数(台)
男子
110
106.7
13.72
9.14
14.02
10
400
91.4
45.00
35.00
40.00
10
男子ジュニア
110
99.1
13.72
9.14
14.02
10
女子
100
84.0
13.00
8.50
10.50
10
400
76.2
45.00
35.00
40.00
10
中学生男
110
91.4
13.72
9.14
14.02
10
中学生女
100
76.2
13.00
8.00
15.00
10
小学生
80
70.0
13.00
7.00
11.00
9

ハードル競走に必要な能力
@ 短距離を走る力    A 素早い動き    B筋力    C 調整力(リズム・バランス・器用さ)   D 関節が大きく動く柔
軟さ

トラック競技はなぜ、左回り

 右利きの人は足の軸足が左?
  国際陸上連盟(IAAF)が、1913年に決めたルールに基づいています。それまでは、どちらという決まりもなく、オリンピックでも右回りで開催された大会もありました。しかし、選手の間からは、右回りではなにか不自然という声が多く上がり、左回りに統一されました。
 ではなぜ、左回りが自然と感じるのでしょうか。いくつか説があるようですが、納得できる説の一つとして、右利きの人は、足の軸足が左だからという説が有力です。
 左回りだとコーナーを回るとき、体は左側に傾くので、それを支えるには左足が軸足だと体が安定するからだという考え方です。右利きの人が多かったので、左回りになったということです。

何を食べれば強くなるか

 日々のトレーニングに必要なエネルギーをしっかり確保し、強い身体づくりをするためには毎日の食事が大切です。さらに成長期では、これに加えて体が大きくなる分の材料を、食事からとらなければなりません。

炭水化物と脂質
毎日しっかりごはんを食べる
 強度の高い運動のエネルギー源として働く主な栄養素は炭水化物。特に長距離のような持久系の種目では、毎日、食事の中で十分に炭水化物をとってトレーニングに必要なエネルギーをしっかり確保することが大切です。
たんぱく質とミネラル
肉、魚、卵といった動物性のたんぱく質は良質のたんぱく源
 主に身体づくりに欠かせないのがたんぱく質とミネラル。成長期に増える分の筋肉や骨、血液をつくる材料とし ても必要です。また、トレーニングによって傷ついた筋肉を修復するためにも、食事からの摂取が大切です。
ビタミンとミネラル
ひじきは不足しがちな鉄がいっぱい。また、野菜は緑黄色野菜を
 炭水化物やたんぱく質などの栄養素が、エネルギーや身体の成分となるのを助けたり、ケガや故障を予防したり して、コンディションを整える働きをしてくれます。

スポーツドリンクの効果と種類

スポーツドリンクとは
きに 運動したと失われる水分、ミネラル、ビタミンを補給し、パフォーマンスの向上を図るために開発された飲み物です。スポーツドリンクは、水分の吸収が速く、手軽にミネラルや糖分の補給ができるため、エネルギーや疲労の回復を速やかに行うことができます。スポーツドリンクは、大きく分けて3つの種類があります。

アイソトニック飲料(ポカリスエット、アクエリアス、etc)
 体液と濃度が同じ等浸透圧飲料(糖分約6%)です。体内への吸収が速く、汗と同程度のミネラルが含まれてい るので、練習や試合で多量の汗をかいた後に飲むのが最適です。
ハイポトニック飲料(ポカリスエットステビア、H2O、etc)
 アイソトニック飲料より濃度が低い飲料(糖分約2.5%)です。運動時は体内の浸透圧が下がるため、ハイポト ニック飲料が等浸透圧となります。したがって、練習や試合中の水分補給に最適です。
エネルギー飲料(ウィダーインゼリー、etc)
 運動により消費されたエネルギー(糖質)を補うことを目的とした飲料です。アイソトニック飲料の4〜5倍の 糖質を含んでいます。エネルギー補給が目的ですから、運動後に摂るのが最適です。


ストライドとピッチの関係

ストライドを大きく、ピッチを上げるには
 走る速度は、歩幅×1秒間の歩数で計算できます。ストライドが大きく、ピッチが速いというのが理想ですが、人の脚の長さはそれぞれ違い、力にも限界があります。
 ストライドの標準は、一般的に身長と同じ長さといわれていますので、自分の身長よりストライドが大きい人はストライド型、それより小さい人はピッチ型です。

 ストライドを大きくするには、股関節を動かす筋肉をきたえることと、股関節を柔軟にすることが必要です。

 ピッチを速くするには、「振り子現象」が参考になります。振り子は糸の長さによって周期(往復する時間)が変わり、糸が短ければ、周期が速くなります。糸を短くするということは、人でいうと脚を小さくたたむことです。地面を蹴った脚が後ろに流れないように、蹴った脚を素早くたたみ、脚がかかえこまれている状態で、後ろから前に脚を出します。こうすることで、振り戻し動作が小さくなり、ピッチが上がります。

 ストライドを大きくするには、股関節のストレッチ、ピッチを上げるには、キックアップを正しく練習することです。

シューズの知識

速くはしるより、安全に走ることを選択する
 シューズを大きく分けると、レーシングシューズ(底が薄い)、アップシューズ(底が厚い)、スパイクシューズの3種類です。

 アップシューズとは、トレーニングシューズのことをいい、普段の練習や、試合に行くときの移動などで使用します。アップシューズは、土踏まずの部分がえぐれたタイプのものと、わりとフラット(平ら)なタイプのものとがあります。フラットタイプのものはサポート性と安定性が高いので、疲れにくい半面、着地したときの面積が広いためブレーキが大きくなり、スピードが出しにくくなるというデメリットがあります。しかし、筋肉が発達段階にある小学生については、故障を避けるため、できる限り靴底がフラットなタイプのものをおすすめします。

 スパイクシューズのスパイクについてですが、特に練習の場合は、短いスパイクピンを使用することをおすすめします。長いピンだと地面に深く刺さり、抜けにくくなり、身体に負担がかかるからです。

 また、靴ヒモのしめ方にもアンダーラップシューレーシングとオーバーラップシューレーシングの2種類あります。アンダーラップシューレーシングは、左右交互に穴の下から上にヒモを通す方法で、はいている内に足になじみ、圧迫感が少ないため、長距離を走るときに適したしめ方です。オーバーラップシューレーシングはアンダーラップとは逆に、穴の上から下にヒモを通す方法で、締め付けがよく、ゆるみにくいため、短距離を走るときに適したしめ方です。

心拍数について

150拍/分以上の心拍数を、1日1時間確保しよう
 生き物すべての、心臓の動作回数はほぼ同じで、2億回といわれています。動物は、心臓が2億回の鼓動を打って寿命が尽きます。心拍数は小動物ほど速く、象などの大きな動物ほど遅くなります。象の心拍数は、1分間に12から15回程度なので、環境が良ければ人間より、ずっと長生きができます。
 反対に、ネズミなどの小動物は物凄く速い心拍数となります。2〜3年で人間の一生分の心拍数を記録するほどの速さです。このように、心拍間隔が短い動物は早く死に、心拍間隔の長い動物は長生きします。

 ところで、人の心臓は1分間にどれくらい打てるのでしょうか。一般には220マイナス自分の年齢(220−自己年齢=最大心拍数)くらいまでです。この数値を超えると、めまいがしたり、ふらついたりします。

 小学校5年生児童に望まれる運動として、「心拍数が150拍/分以上を、1日1時間確保すること」が提唱されています。心拍数150拍/分〜170拍/分は、おそいかけ足、ジョギングなど、170拍/分以上は、はやいかけ足、競争的な持久走です。
 また、ゴム跳び、缶けり、鬼ごっこなどのさまざまな遊びは、心拍数150拍/分〜160拍/分を確保できる合理的な運動です。

 練習がない日は、家の外で元気に遊ぶことで、自然と運動ができることになります。

長距離走でのレース直前のポイント

スタート前のダッシュで心拍数を上げる
 レースのスタート前には、心拍数を増加させておく必要があります。エネルギーの無駄遣いのように見えますが、そうではありません。

 スタート直後に、急に走り出すと呼吸循環機能や身体のいろいろな条件が、まだその運動に適応せず、酸素の需要と供給のバランスがとれていない状態がすぐ起き、苦しい状態となります。このときのことをデッドポイントと言います。これが早く来るため、急激なスピードダウンに結びつきます。それを少しでも遅らせるために、心拍数を上げておくのです。

 そして、しばらくするとペースを落としていないのに、楽に走ることができるようになります。このときのことを、セカンドウィンドといいます。

 練習量が足りない人は、デッドポイントが長く、そのまま苦しい状態で終わってしまうことがありますが、練習で力をつけてくればセカンドウィンドを体験することができるでしょう。

コアストレッチウォーキング

効率の良いフォームで重要なのは、骨盤の動き
 通常の歩行やランニングでは、太ももから下の筋肉を動かして進むため、骨盤は動きません。それに対して、効率の良いフォームは、支点を脚のつけ根ではなく、みぞおちあたりと考え、そこから脚を動かすということをイメージして、脚と腰(骨盤)を同時に前へ出します。

 まず、ウォーキングでフォームを改善しよう。ウォーキングでも、みぞおちあたりから脚が始まるイメージで、脚を大きく前後にスィングさせて歩く。こうすることで、自然に歩幅が大きくなり、スムーズに前へ進むことができる。腰にひねりを入れて進むイメージがポイントです。この時に、注意しなければならないことは、つま先と膝は、常に進行方向を向いていることです。
 イメージがつかめなければ、身体の胸から下が全部脚になったと思って、脚を前後に、振り子のようにして歩いてみよう。そうすれば、自然と踏み出した脚と、同じ側の腰が前へ出るはずです。

 この骨盤を使ったウォーキング(コアストレッチウォーキング)を行うことで、自然に効率の良いフォームが身につき、日常ではあまり動かすことのない筋肉を使うことができます。

運動後の疲労回復のために

オレンジジュースで疲労回復
 運動後の筋肉の内部では、ごく細かい筋繊維が切れています。また、汗をかいたことでナトリウムなどの電解質が消費され、血液中のバランスも崩れています。
 その回復は、運動後2時間くらいから始まり、切れた筋繊維は切れる前より、20%増の割合で回復します。しかし、十分に回復させるには、身体のすみずみまで、十分な栄養(糖質、タンパク質)が行き渡っている必要があります。

 ここで100%オレンジジュースが、大活躍します。特に運動直後の糖質補給は、疲労回復に大きな効果を発揮します。運動直後に糖質を摂ると、2時間後に摂ったときと比べて、回復速度は2倍以上速くなります。また、オレンジジュースに豊富に含まれる、クエン酸がさらに回復が早めることもわかっています。
 ハードトレーニング後は、30分以内に牛乳やヨーグルトなどといっしょに、100%オレンジジュースを飲むようにしたい。

運動するとなぜ疲れる

乳酸がたまると筋肉が動かなくなる
 筋肉を連続して動かせるのは、身体の中の物質ATP(アデノシン三リン酸)がエネルギー源となり、それを消耗しながら筋繊維を収縮しているからです。
 しかし、それにも限界があります。たとえば、400b競技では連続した全力疾走によって、疲労物質の乳酸が生まれ、これが一定以上たまると筋肉が動かなくなってしまいます。

 短距離走のように、呼吸を意識しない瞬発力が要求される運動を一般的に「無酸素運動」といい、酸素がすぐに消費されるため、長時間続けることができません。

 その一方で、マラソンのように運動をしながら酸素を摂取し、ある程度、筋肉に酸素が供給され続ける運動を「有酸素運動」という。「有酸素運動」では酸素の供給により、乳酸は水と二酸化炭素に分解されます。しかし、運動が一定のレベルを超えると、酸素の消費に対して供給が追いつかなくなり、筋肉に乳酸が蓄積され始めます。サッカーなどで、後半になると選手の動きが鈍くなるのは、体内に乳酸が蓄積されるからです。

一方、筋肉に溜まった乳酸の多くは、血液により他の筋肉に運ばれ、そこで再びエネルギー源として使われます。見方を変えれば、乳酸は他の筋肉にエネルギーを供給する燃料物質と見ることもできます。
 筋肉にたまった乳酸を早く除去させるには、さらに軽めの運動を行うのがいい。10分程度のウォーキングやストレッチで血流がアップすると、乳酸が筋肉から追い出されるからです。このように軽い運動をして疲労回復を図る方法を積極的休養(アクティブレスト)といいます。

女子短距離王国 福島大

 女子陸上の短距離で今や一大勢力となっているのが国立福島大学。05'6月の日本選手権では四百bで日本新をマークした丹野麻美を筆頭に多くの入賞者を出し、8月のヘルシンキ世界陸上には、丹野、卒業生の池田久美子の2人を送り出した。

 福島市内のキャンパス、80人を超える部員が練習するトラックに足を踏み入れると次々に「こんにちは」と元気な声が返ってくる。部員は上級生はもちろん、外部からの訪問者にもあいさつを欠かさない。大学の、個人スポーツでは珍しく映る。
大切なのは社会人として通用するように、学生として必要なことを身につけること。まずあいさつです。」が川本監督の指導の第一歩となっている。あいさつがスピードとどうつながるのか。「あいさつができないのは自分に自信がない、一歩前にでる勇気がないから」という。
 毎年のように国内トップの選手を育てるには、精神論だけでなく高いレベルの理論も必要となるが、川本監督の指導の基本は「いかに大きな力を生み出し、逃がさず地面に伝えるか」

トラックの作り方


1周150m、200mトラックの作り方
 1周150mのトラックでは、直線Lを35mとすると、曲線部分は80mとなります。このことから曲線の計算式は
下記のようになります。
2πr=80m  r=12.74m
 公認でない一般のグランドでは、20p外側を計測するので
r=12.74−0.2m=12.54mとなります。
 したがって1周150mで、直線35mのトラックは、半径12.54mで作ることができるわけです。
 1周200mで、直線50mのトラックは、半径15.92mから0.2m引いた、半径15.72mで作ることができます。
 また、レーンの幅は122cmです。

速く走ることより大切なこと

子どもたちにつけてもらいたい力
社会性を持たせる活動
クラブで
家庭で
人とコミュニケーションする力
人間関係をつくる力
身だしなみを整える 記録会等では決められた服装を着用する 他の家庭を訪問する時の服装
ジャージの着こなし 外出時の服装
時間を守る 集合の時間 起床、就寝時間
練習の開始時間 食事の時間
時間を間違えないように確認する 帰宅時間
あいさつをす 監督、父兄等へのあいさ 朝、食事時、帰宅時、就寝時のあいさつ
来客等にあいさつ 来客時のあいさつ
友達同士でのあいさつ 近所の人へのあいさつ
相手の話をよく聞き、返事をする
相手を思いやる
監督等の話をよく聞く 親の話を最後まで聞く
発言などで発言者の話を聞く 親の労働への感謝
仲間、下級生への思いやりを持つ 家族への思いやりを持つ
自分の考えを話す、自分の意見をまとめる 団体競技(リレー)での話し合い 親との会話
人と協力する 団体活動時の行動 自分の食器を洗ったり、洗濯物を片づける等
人のために働く
奉仕能力
共有場所の清掃 グラウンドの清掃活動 自分の部屋だけでなく、玄関、居間等の共有場所の片づけ
練習の準備 協力して準備、片づけをする 食事の準備、片づけ
自分の役割を果たす 当番活動 家の手伝い(風呂の準備、掃除等)
グラウンド整備、ボランティア活動 グラウンドの石拾い、周辺のゴミ拾い 地域での清掃活動等への参加


分析と改良

400mハードル 為末 大
 一周400mのトラックに、高さ91.4pの障害が35mごとに10台置かれている。そのコースを誰よりも速く走りぬけること。それが400mハードルである。

 この400mハードルには、走力、瞬発力、持久力、ハードリング(ハードルを越えていく技術)、実にさまざまな能力が必要とされる。しかし最も大切な能力は、思考力である。たとえば、この種目では終盤にかけて疲労がたまると歩幅が縮まるため、中盤から歩幅を増やしていく。自動車や自転車でいう「ギアを一つ落とす」ようなものである。しかし、ただギアを落とすだけでなく、同時に、少しアクセルを踏みながら、なめらかにスピードを落としていかなければならない。

 ゴールに自身のエネルギーの99%で辿り着いてもいけないし、また390mの時点で使い果たしてもいけない。だからこそ、常に様々な角度から分析を加え、改良のヒントを探していくことが大切になってくる。

 たとえば、正面から見た足の運びである。正面からの映像を見てみると、両足の着地点は中心から数p外へずれている。これを中心に寄せれば、一歩につき約1センチ、トラック一周換算で1〜2mほど稼ぐことができる。これは明らかに勝ち負けに影響する「差」となる。そこを意識して走りを改良すると、予想通り歩幅が伸び、走りがとても楽になる。

 この種目、単純に計算すれば欧米選手、つまり背が高く足が長い方が速いといえるが、この種目こそ日本人の気質に最も向くものではないだろうか。考えること、そして、苦しい練習に耐えることについて、日本人ほど強く、またそれを美徳としている民族はいない。真摯に、そして懸命に技術を洗練させ、過酷なトレーニングに耐えることが他の何にもまして必要だからこそ、世界に伍して戦っていけるといえる。

100mの世界記録

世界記録更新、9秒76?
 陸上のグランプリ・カタール大会が2006年5月12日、カタールの首都ドーハで行われ、男子百メートルでジャスティン・ガトリン選手(米国)が9秒76の世界新記録で優勝しました。これまでアサファ・パウエル選手(ジャマイカ)が持っていた9秒77を0.01秒更新しました。
 トップアスリートの1秒の違いは約10メートルで、ガトリン選手とパウエル選手の記録の差は0.01秒なので、たったの10センチメートルしかありません。

 百メートルの記録は伸び続けていますが、伸び方はどんどん鈍くなっています。これは、人間の運動能力の限界に、近づいているためだと考えられています。人間の身長がもっと伸びれば、どんどん速度が上がるように思われますが、身長が2メートルを越えてしまうと、体重が重くなりすぎて速く動けなくなってしまいます。

 ゾウは、いっぱい筋肉がついているのにジャンプができません。身体が大きくなるとそれを支えるために筋肉がたくさん必要になり、どんどん重くなってしまうのです。
 いったい、記録はどこまで伸びるのでしょう。

世界記録更新の続報
 国際陸連(IAAF)は2006年5月17日、男子100メートルでジャスティン・ガトリン選手がマークした9秒76の世界新記録に計時ミスがあり、実際は9秒77の世界タイ記録だったと発表した。ガトリンのタイムは9秒766で、本来は1000分の1秒台を切り上げるべきところを、誤って切り捨てていたという。
薬物違反で8年間の資格停止処分
 9秒77を出しながら、2度目のドーピング違反に問われていたジャスティン・ガトリン選手は、8年間の資格停止処分となった。9秒77の記録は抹消され、世界記録保持者はアサファ・パウエル選手だけとなった(06.8.22 米国反ドーピング機関発表)。

オールラウンドに運動する

1種目に集中することの弊害
 同じ運動や、動きばかりをいつもくり返し行うことは、子どもにとって大きなマイナスとなり、1種目に集中して練習を重ねることによって、次のような大きな弊害が生じてくることとなります。
  • 同じ部位を、何度も激しく使うことから障害が生じる。
  • 偏った体つきになる。
  • 小学校時期に必要とされる、いろいろな動きを身につけられなくなる。
  • 心理的に興味が薄れる。
 近年、スポーツの早期専門種目化(スポーツ英才教育)の弊害が指摘されている。最初の段階では、明らかな上達が見られるが、16〜17歳になると停滞してしまう。このように伸び悩む上に、障害を引き起こしたり、「燃え尽き症候群」といった弊害も指摘されている。
 外国のトップ選手の記録のピークが遅く、しかも高いのは、初期において専門種目を決定せず、いくつかのスポーツを行うことによって、オールラウンドな身体が養成されていると考えられている。

筋肉の科学

短距離型? 長距離型?
 運動をつかさどる筋肉は、白筋(速筋繊維)と赤筋(遅筋繊維)という、大きく分けて2種類の筋繊維から構成されていて、短距離走と長距離走とでは、使う筋繊維のタイプが違います。

 白筋は、近海のカレイやキスのような白身魚のように見た目に白く、それらの魚は、ふだん海底にじっとしていて、エサを見つけると素早く追いかけ、そして、そのあとはまたじっとしています。このように、瞬間的に大きな力を出すことができますが、すぐに疲れて動けなくなります。

 赤筋は、回遊魚のマグロやカツオのように赤身です。近海の魚のように瞬発力はありませんが、ずっと泳ぎ続ける持久力があります。

 つまり、白筋は短距離走、赤筋は長距離走に適していますが、その割合は遺伝により、ある程度決まります。短距離と長距離の、両方とも速い人はいないのが普通です。

トラックで1Kmを走るには

150mトラックの場合
 1Kmを表の右のタイムで走るには、1周150mのトラックを表の左の速さで、6と2/3周走る必要があり
ます。これを目安にして目標タイムを考えよう。
150mトラック1周のタイム 1Kmのタイム
27秒
3′00″
28秒
3′07″
29秒
3′13″
30秒
3′20″
31秒
3′27″
32秒
3′33″
33秒
3′40″
34秒
3′47″
35秒
3′53″
36秒
4′00″

400mトラックの場合
 1Kmを表の右のタイムで走るには、1周400mのトラックを表の左の速さで、2.5周走る必要がありま
す。これを目安にして走ろう。
400mトラック1周のタイム 1Kmのタイム
72秒
3′00″
74秒
3′05″
76秒
3′10″
78秒
3′15″
80秒
3′20″
82秒
3′25″
84秒
3′30″
86秒
3′35″
88秒
3′40″
90秒
3′45″
92秒
3′50″
94秒
3′55″
96秒
4′00″

小学生男子の日本記録は2′53″07、女子は3′04″92です。
(05/1/14現在)
一般男子の日本記録は2′20″07(小野友誠選手(法政大94/03/19))です。
一般女子の日本記録は2′41″08(杉本美保選手(京セラ02/06/19))です。
(05/5/3現在)

水分補給 その1

水分補給の科学
 人間にとって、水分を補給することがなぜ重要であるかの根本は、人間が陸の動物であることによる。人間の大昔の祖先は水の中で暮らしていたが、進化し、陸に上がって水から離れて活動するようになったとき、いつも水にありつけるわけではないので、体内に一定量の水を蓄えるようになった。
 人間の場合、性別や年齢によって差はあるが、体重の約60%が水である。また、筋肉は特に水分を多く含む組織であり、その75%が水である。

水の役割
  1. 筋肉の収縮など、運動を支える体内の化学反応には、水が不可欠である。
  2. 汗をかいて熱を体外に逃がすことにより、体温を調節している。
  3. 血液として酸素や栄養を運ぶ。
  4. 尿になって老廃物を除去している。
 したがって、水分が不足すると化学反応がうまく進まず、動きがおかしくなるし、筋肉がケイレンしたり、体温が異常に高くなったり、血液が濃くなったり、心拍数が高くなったりと、あらゆる障害を引き起こす可能性が高くなる。
日頃から水を飲む習慣をつける
 身体の中の水分は、腎臓で休みなく尿がつくられていたり、皮膚から常に蒸発していたり、呼吸で失われたりと、24時間失われ続けている。
 したがって、1日を通して意識的に水を飲み続けることが必要。1度に大量に水を飲んでも、大量の尿が出るだけだから、何回にも分けてこまめに飲むのがよい。

 また、練習中はのどの渇きを感じる前に飲むようにし、練習後には疲労回復を助けるためにも、意識的に水を飲むようにしよう。
 練習時には塩分を適度に含んだものがよいが、日頃からスポーツドリンクなどを多く飲むと、飲料に含まれる水以外のものを過剰に摂取することになるので、注意が必要。

障害の予防について

自分に合った靴をはく
 靴を買うときは、足がむくむ夕方にお店に行き、両足ではいて(利き足は反対の足より小さい)チェックする。同じサイズのシューズでもメーカーやデザインによって、長さ、幅、甲の高さなどにかなりの違いがあるので、何足も試してはくことが大切。
ウォーミングアップとクーリングダウンを忘れずに
 身体が冷えていたり、硬かったりすると障害が起こりやすい。練習後のクーリングダウンは疲れを残さないためでもあるし、身体が受けたダメージを軽減させる働きがある。
栄養補給
・  食事は必ず1日3回。

・  運動前にはエネルギー(糖質)をしっかり補給。

・  タンパク質、カルシウムをしっかりとる。
カルシウムはタンパク質と結合して骨や歯をつくるので、両方とも一緒にとれる牛乳がおすすめ。

・  スナック菓子はさけ、日頃から好き嫌いなくバランスのよい食事を。
オーバートレーニングに注意
 速くなりたい一心から無理をするのは禁物。オーバートレーニングによって身体が受けたダメージはかなりの時間をかけなけれは回復しないので注意しよう。

RICE法(障害の応急処置)

ねんざ、肉離れ、打撲、アキレス腱障害などの応急処置
1. REST (安静に保つ)

 ケガをしたらできるだけ患部を動かさないようにして、、安静に保つ。
2. ICE (氷で冷やす)

 患部を氷などで冷やす。毛細血管の収縮を促し、腫れや痛み、炎症を抑えることができる。障害発生後10〜15分以内に冷却するのがよく、断続的に10〜30分くらい冷やす。
3. COMPRESSION (患部を圧迫する)

 伸縮包帯を巻く場合は、患部の下(心臓に遠いほう)から上のほうに向かって巻く。最初はややきつめに、患部の上方ではやや緩めに巻く。
4. ELEVATION (患部を高く上げる)

 患部を高い位置に(できれは心臓より高く)上げる。血液や体液を下げることによって、腫れや炎症が広がるのを防ぐことができる。なるべく長い時間行うのがよい。

速く走るための基本

生 活
 生活の基本は、次のことを自覚して行うこと、【早寝早起き】 【三度の食事を規則正しく摂る】 【自分の
身体を管理する】、自主的に行えば必ず結果がついてくる。

短距離を速く走るための技術
 フォームバネ柔軟性が、短距離を速く走る3要素。
 走ることとは、跳ぶことの連続。脚を上から下に振り下ろし、地面に大きな力を素早く加えグイッ、グイッと
キックして前へ出る。
 また、逆の脚を振り上げることによって、地面につたえる力を増大させる。このキックと振り上げ、そして腕振
りが同時に行われると大きな力が生まれる。

長距離を速く走るための技術
フォーム
効率の良いフォームで走れば、より楽に長く、速くはしれる。
筋  力
筋力を強化することで、ひざや足首、腰などの障害を防止できる。
スピード感覚
速く走る能力が備わっていても、スピード感を味わったことがなければ速く走れない。

100mを速く走るために

スタート
  1.  「ヨーイ」で、ゆっくり腰を上げて静止し、ピストルの音が鳴るのを、ゆっくり息を吐きながら集中して待
    つ。
  2.  視線はスタートラインの上又は一歩目の着地点あたりに置く。
  3.  ピストルの音が鳴ったら、利き足で強くブロックを蹴り、手首が目の高さまでになるほど、腕を大きく振
    り上げる
  4.  スタート後は、視線を急に上げずにしばらく地面を見ているようにする
中間疾走
  1.  「素早く」 「大きく」 「柔らかく」を意識すること。
  2.  リラックスを心がけること(力が入るとフォームは崩れる)。
フィニッシュ
  1.  ゴールを意識しないで走り抜けること。

ストレッチング

 ストレッチには体を柔軟にする効果と、筋肉の血の流れを増加させる働きがあります。
運動前のストレッチ (ウォーミングアップ)
  1. 関節可動域(ROM)を広げる。
  2. 筋肉に柔軟性を持たせ、ストレスに対し強くする。
  3. 血行を促進し、筋肉への酸素の供給をスムースにする。
  4. 神経伝達をスムースにし、パフォーマンスを向上させる。
運動後のストレッチ (クーリングダウン)
  1. 血流を促進させ、筋肉中の疲労物質を除去する。
  2. 運動中に収縮した筋肉を、しっかり伸ばす。

  それぞれの部分について約10〜30秒行いましょう。大切なことは正しい姿勢に気をつけ、自然な呼吸でリ
ラックスを心がけること。
反動をつけたり、無理に伸ばしたりしないよう注意すること。
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